人天蓋　彩色　（愛知県碧南市）

九州豪雨災害でご苦労なさっている皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

また、お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

さて、今回もコロナ・ショックで蔵出し写真でご案内。

この「人天蓋」８年ほど前、弊社が設立されてすぐくらいに「雲板」の部分を彩色依頼されたものです。

「人天蓋」の彩色自体は問題なくできるのですが、この「人天蓋」には驚かされました。

ふつう「人天蓋」に吊るされている「瓔珞（ようらく）」は、木製の金箔押しが大半であり、

他には、金具製の金メッキ・紙製・プラスチック製と多様ではあります。

が、この「人天蓋」の「瓔珞（ようらく）」は、「象牙」で出来ていたと記憶しています。

非常に稀なもので、彩色の終わった「人天蓋」の本体を吊るす作業をするよりも

「瓔珞（ようらく）」を吊りなおす作業の方が、異常に緊張し、変な汗をかいたのを覚えております。

このような稀なものを見せていただく機会など滅多にないのですが、

この仕事をさせていただいている特権みたいな部分もあるのでしょうか・・・（笑）

仏像・仏具の修理をさせていただいていると本当に貴重な体験ができることがあるのだなぁ〜と思わせる懐かし画像でした。