徳島県　厨子　修理依頼

かなり久しぶりの投稿になってしまいました。

先般、徳島県鳴門近くの真言宗の寺院さまから「弘法大師像」が納められた「厨子」の修理を承りました。

画像では分かりづらい点もあるのですが、かなりの傷み具合です。しっかりと新品同様に修理していきます。

また「厨子」の背面いっぱいに、１００名を超える「朱色」で書かれたお名前（施主名）がありました。

これには、ご住職も私どももびっくり！
明治の元号がありました。だから１００年以上ぶりに修理するために移動させたわけですが、誰も「朱書きの名前」の存在を知りませんでした。

「朱書き」であるということは、ご存命の方々と言う意味合いがあります。１００以上も前の明治の方々が、力を合わせてこの厨子を作り寄進されたということがわかります。

確認しましたが、朱書きの名前の方々に現在ご存命の方はおられませんでしたので、この修理を機会に「金文字」に変更しようということになりました。

ものすごい人数のお名前なので、厨子を修理してお名前を手書きで書き直す作業にかなり手間がとられそうですが、明治の先人の方々の想いを大切にきちんと修復したいと思います。